放射線技師の仕事は、レントゲン撮影の時にスイッチを押すだけではありません。放射線技師の業務の範囲は、MRI・CT・エコー(超音波)検査などハイテクな医療機器を操作して、精密な画像を撮影することも含まれます。
1回の撮影で鮮明な画像を撮影することは難しいのですが、レントゲン撮影とCT(コンピュータートモグラフィ)は人体に有害な放射線を浴びせるので、何回も撮り直しをするのは危険です。
医師が必要とする情報を画像を通じて提供すべく、該当箇所に応じて角度などを調整しながら鮮明な画像を撮影するためのスキルが必要になります。さらに、医師にとって診断しやすい画像かどうかを判断するためにも、再撮影にならないためにも、放射線技師も診断に必要な知識を備えていなければなりません。
また、乳がん検診に必要なマンモグラフィなど、患者が屈辱と苦痛を感じるような検査も放射線技師が担当することがあります。痛みを伴うような検査では、患者の不安な気持ちに寄り添ってできるだけ精神的苦痛を取り除くような声掛けや配慮を行うことも不可欠です。
その他にも、放射線技師の業務には放射線を用いた治療もあります。その際、治療の対象となるがん患者との接し方も、放射線技師が習得しなければならない重要なスキルです。
生死に関わる治療に大きな不安を抱えて臨むがん患者に対して、いかに不安を軽減して治療を受けさせるかが放射線技師の腕の見せどころとなります。加えて、照射による副作用や後遺症についても患者にわかりやすく丁寧に説明しなければなりません。
このように、放射線技師には高いコミュニケーションスキルも求められるのです。